★塩素って何?
塩素とは、食塩からカセイソーダを作るときにできる副産物です。
カセイソーダは、化学工業に必要で大量に作られるため、必然的に大量の塩素も作られるというわけです。
タダ同然のものであり、漂白や殺菌作用が強いためあらゆる分野で使われています。
殺菌するということは、細菌といえども生物を殺すことにかわりはないので、大量に使えば人間にも害がでてきます。 |
・・・・・・・・・・・・・・
|
★どうして入れるの?
そもそも塩素殺菌というのは、上下水道の普及とともに断続的に流行を繰り返す、コレラや赤痢、チフスなどの伝染病を防ぐのが目的でした。
浄化技術も進歩し、大量の塩素注入によって一見、水はきれいになったように見えます。
しかし、工業排水や農業排水、家庭排水による汚染はとどまるところを知らず、浄化しきれない有害物質の残留が心配されます。
|
・・・・・・・・・・・・・・
|
★トリハロメタンやダイオキシンって?
微生物によって分解しきれない有機物と塩素が結びつくことによってできるのが、発ガン物質といわれるトリハロメタンです。
これは、フタを開けての20〜30分の煮沸で消えますが、電気ポットのようにフタをしたままだとかえって濃縮されてしまいます。
ごみ消却場や工場のけむり、車の排気ガスなどによって排出されるダイオキシンは、呼吸によって体内に入るほか、土や水、農作物を汚染し、人体に悪影響を与えます。
その毒性は青酸カリの1000倍以上と言われ、生殖機能を乱して子宮内膜症や不妊の原因となったり、免疫系に作用してアレルギーやアトピーを悪化させるそうです。
遺伝子を傷つけるダイオキシンは脂肪に溶けやすいため、母乳問題で騒がれたニュースは記憶に新しいと思います。 |
・・・・・・・・・・・・・・
|
★煮沸の効果は?
水道水から塩素を取り除く方法として、一般的に煮沸がよいとされています。
確かにやかんや鍋のフタをせずに、5分ほど沸騰させると塩素は消えます。
しかし、トリハロメタンを取り除くには20〜30分の煮沸が必要ですし、不揮発性の有害物質はかえって濃縮されてしまいます。
また、水に含まれるカルシウム、マグネシウム、ナトリウムは全てとんでしまうので、味が落ちます。
飲み水はミネラルウォーターを買うという方法もありますが、病原菌についての規格や基準はあっても化学的な汚染についてはあいまいです。
リサイクルするとはいっても空容器があふれるというのも問題ですね。 |
・・・・・・・・・・・・・・
|
★安全な水を手に入れるには?
結局、口に入る水に関しては、性能のよい浄水器を使うのが確実のようです。
しかし、髪や体を洗う場合も浄水器の水を使うというのは経済的な負担が大きくなるので、とりあえず肌を荒らす塩素が取り除ければいいと思います。
塩素がビタニンCを壊すという性質を利用して、レモンのしぼり汁を入れるのもいいですし、薬局で『アスコルビン酸(ビタミンC)を購入するという手もあります。
よく洗って煮沸した木炭も有害物質を吸着します。
手軽さを求めるなら、脱塩素シャワーというのもあります。
もちろん、一人一人が原水を汚さない工夫を考える事も大切ですね。 |